枕の高さが変わると、身体はどうなる?
こんにちは!
RESTAコラムの時間です😊
前回は、
「枕に正解はあるのか??」
という、なんとも答えの出しにくいテーマについてお話ししました🤣
「首の自然なカーブを保てる高さが理想」
「横向きなら肩幅に合わせて高さを調整」
「寝返りしやすいものを」
……などなど。
枕について調べれば調べるほど、いろいろな情報が出てきます。
そして私自身も、昔はかなり高さのある枕を使っていましたが、今ではずいぶん低い枕になりました。
だからといって、

低い枕が正解です!
と言いたいわけではありません。
むしろ、
そんなところから、前編では「そもそも枕に絶対的な正解なんてあるのかな?」と考えてみました。
さて。
今回はもう一歩踏み込んでみましょう。
枕って、本当に身体に影響するの?
前編では「正解は分からない」と言いました。
でも、



じゃあ枕なんて何でもいいの?
と言われたら、それも違います。
実際に、枕の高さや形状によって、頭や首の状態が変化することを調べた研究があります。
例えば、枕の高さを変えることで、
ことが報告されています。
この研究のまとめ1: 仰向けで寝るときの「枕の高さ」
背骨がまっすぐ、自然な姿勢になれる「中間の高さ」がベストです。
- 高い枕
首が強制的に「うつむいた姿勢」に曲げられてしまいます。その結果、頭と首にかかる全体の圧力が約30%〜65%もアップしてしまい、首が休まりません。 - 低い枕
頭が後ろに落ちてしまい、顎が上がった不自然な姿勢になります。首の骨のカーブが崩れてグラグラと不安定になり、首の関節に負担がかかります。 - 中間の枕(理想)
立ったときと同じ自然な背骨のカーブをキープできます。頭や首にかかる圧力も綺麗に分散されるため、最もリラックスして眠れます。
つまり、
枕は、ちゃんと身体に影響するんです。
これはちょっと面白いですよね👀
普段はただの「頭を乗せるもの」にしか見えない枕ですが、寝ている間の頭の位置を決めるわけですから、当然といえば当然。
頭の位置が変われば、その下にある首の位置も変わります。
そして首の位置が変われば、周辺の筋肉や関節にも影響が出てくる。
そして、筋肉の働き方まで変わる
さらに面白いことがあります。
枕の高さを変えて、首や肩周辺の筋肉がどのくらい活動しているのかを調べた研究もあります。
筋電図、いわゆるEMGという機器を使って、
「寝ているとき、筋肉はどのくらい働いているの?」
を調べるわけですね。
研究によって条件や結果はそれぞれ異なりますが、枕の高さによって、
- 胸鎖乳突筋
- 僧帽筋
などの筋活動が変化することが報告されています。


この研究のまとめ2:横向きで寝るときの「枕の高さ」
横を向いたときは、首の骨が床とまっすぐ平行になる「肩幅に合った高さ」がベストです。
- 高すぎる枕
頭が上に持ち上げられ、上側の肩や首の筋肉(僧帽筋など)がギューッと引っ張られて、筋肉の活動が一番激しく(疲れる状態に)なってしまいます。 - 低すぎる枕
頭が下にダラリと落ちてしまいます。すると、下側になった首や肩の筋肉が「これ以上頭が落ちたら危ない!」とブレーキをかけるように力が入ってしまい、不快感やコリに繋がります。 - 中間の枕(理想)
首の筋肉に余計な力が一切入らず、筋肉が一番お休みできる状態になります。実験でも、この高さが最も「快適だ」と感じる人が多いです。


つまり、
寝ている=身体が完全に何もしていない
というわけではないんですね。
枕の条件によっては、
首や肩周辺の筋肉が違った働き方をしている。
考えてみれば、
「寝ている間も首の筋肉が仕事してます!」
なんて、ちょっと嫌ですよね🤣
でも、ここで勘違いしてはいけません
ここまで読むと、



じゃあ、高い枕はダメなんだ!



低い枕にすればいいんだ!
と思うかもしれません。
でも、
そういう話ではないんですよね。
研究で分かるのは、
枕の高さが変わると、身体の状態も変化する。
ということ。
そこから、
「だから全員○cmが正解!」
とは言えません。
実際、研究の多くは対象者数や条件も限られていますし、睡眠中の姿勢も人によって違います。
そもそも、
仰向けで寝る人と、
横向きで寝る人では、
頭と肩の位置関係が違います。
だったら、
必要な枕の高さだって変わって当然ですよね。
「寝姿勢」でも変わる
ここも非常に興味深いところです。
ある研究では、健康な人が仰向けで寝た状態でも、腕の位置によって首周辺の筋活動が変化することが確認されています。
例えば、
腕を身体の横に置いているのか。
胸の上に置いているのか。
あるいは額の上に置いているのか。
それだけでも、首や肩周辺の筋肉の働き方が変わる。
つまり、
「私は仰向けで寝ています」
だけでは、寝ている身体の状態を全部説明できないんです。
寝ている間には、
寝返りをしたり、
腕の位置が変わったり、
横向きになったり、
また仰向けに戻ったり。
私たちは思っている以上に、動きながら眠っています。


じゃあ「自分に合う枕」を探せばいいの?
ここまで見ると、
「なるほど!」



じゃあ、自分に合う高さを探せばいいのか…。
……となりそうです。
もちろん、それも一つの方法です。
でも、私はここで、もう一つ考えてみたいんです。
それは、
ということ。
だって、
枕の高さで首の状態が変わる。
寝姿勢でも首の筋活動が変わる。
だったら、
そもそも、その首はどんな身体の上に乗っているんでしょう?
ここから先は、
首だけではなく、
胸椎
肋骨
肩甲骨
胸郭
そして、
呼吸
などにも目を向けてみる必要があるかもしれません。
「朝起きたら首が痛い」
という一つの現象に対して、
「枕が悪い!」
と一つの原因に決めつけてしまう前に、
もう少し身体全体を見てみてもいいんじゃないでしょうか?
研究は「正解」を教えてくれるのか?
今回、枕についていくつか研究を調べてみました。
枕の高さによって頸椎の状態が変わる。
筋肉の活動も変化する。
寝姿勢によっても筋活動が変わる。
こうした研究は、私たちが身体を考えるうえで、とても参考になります。
一方で、
「これが万人にとって最高の枕です」
という答えが出てきたわけではありません。
実際、枕のデザインと首の痛みなどについてまとめたシステマティックレビュー・メタ分析でも、枕によって首の痛みや起床時の痛みなどが改善する可能性が示された一方、睡眠の質については有意な差が確認されなかったという結果もあります。



えっ!?睡眠の質に差がなかった!?



そうなんですよ!調べていて、私もびっくりしました!
だから私は、今回の研究を
「枕の正解を証明するエビデンス」
としてではなく、
「自分の身体を考えるための参考資料」
として紹介したいと思います。
🔎 今回参考にした研究
- Effect of pillow height on the biomechanics of the head-neck complex: investigation of the cranio-cervical pressure and cervical spine alignment. 2016. PMID: 27635354.
- The effect of pillow height on muscle activity of the neck and mid-upper back. 2015. PMID: 26209581.
- Effect of sleep posture on neck muscle activity. 2017. PMID: 28626314.
- The effects of pillow designs on neck pain, waking symptoms, neck disability, sleep quality and spinal alignment in adults: A systematic review and meta-analysis. 2021. PMID: 33895703.
- The impact of pillow height on neck muscle activity: a pilot study. 2024. PMID: 39625641.
※研究には対象者数や実験条件などの限界があります。本記事では、これらの研究結果を「万人に共通する正解」としてではなく、身体について考える際の参考資料として紹介しています。
そして、次回。
ここからが、今回の本題です。
枕の下にあるのは、首だけではありません。
首の下には胸椎があり、
その周りには肋骨があり、
肩甲骨があり、
そして私たちは呼吸しています。
さらに、眠る前の身体は、
その一日をどう過ごしてきたのでしょう?
ずっと座っていたのか。
身体を動かしたのか。
疲れていたのか。
緊張していたのか。
そう考えていくと、
「朝、首が痛い」
という現象が、
「枕のせい」だけではない可能性も見えてきます。
ということで次回は、
枕を探す前に、眠る身体を見てみよう。
です。
……ここからちょっと、身体の中を覗いてみましょう👀
後編へ続きます!



記事の下にコメントや質問を入れていただけます!
ぜひあなたの疑問をぶつけてみてください✨
お待ちしています!













コメント